日本列島の歴史は旧石器時代からはじまります。「大昔の原始時代」などと軽視されがちですが、主役は私たちと同じホモ・サピエンス。時代の開きほど私たちの行動や思考は変わっていません。むしろ新天地への挑戦的移住、変わりゆく環境への適応は都市生活者である我々よりはるかに柔軟です。ホモ・サピエンスの行動原理の基本を知ることは、のちの時代を理解するうえでも必須です。本講義では最新の研究成果を踏まえながら、日本列島の人類の移住とその動機、旧石器文化の多様性、縄文文化への移り変わりをテーマに講義します。 <各回テーマ> 第1回 列島人類史の黎明―ホモ・サピエンス到来― 第2回 地域文化の成立―驚くべき環境適応― 第3回 旧石器から縄文へ―時代の変化はなぜ起こったか―
森先 一貴:もりさき・かずき 1979年生まれ。東京大学大学院新領域創成科学研究科修了。奈良文化財研究所研究員、文化庁文化財第二課文化財調査官を経て現職。専門は先史考古学。4万年前日本列島に渡ったホモ・サピエンスが旧石器時代から縄文時代にかけて各地で環境適応を進めていく過程を研究中。主な著書に『旧石器社会の人類生態学』(同成社)、共著に『晩氷期の人類社会』(六一書房)、『境界の日本史』(朝日選書)などがある。日本旧石器時代の体系的研究とその社会的・国際的発信で第36回濱田青陵賞(岸和田市・朝日新聞社)受賞。
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