近年、さまざまな媒体により縄文時代が取り上げられるようになってきており、「縄文ブーム」と呼ばれることも多い。このような動向は考古学そのもののみならず、埋蔵文化財への理解と保護・活用に資するという観点からも、本来歓迎されるべきものである。 しかしながら、その一方で学術的な研究成果に基づくことのない「多様な縄文時代像」が一人歩きし、これが健全な縄文時代像の構築を阻害する原因ともなっている。このような状況は、教育者・研究者としても看過しがたい。今回の講座では、縄文時代をめぐる様々な言説の問題点を取り上げると共に、現在における縄文時代研究の状況を3回にわたって説明する。(講師・記) 【カリキュラム】 1)縄文時代に関する様々な言説 −何が問題なのか− 2)土偶とはなにか −縄文時代の精神文化を考える− 3)縄文時代の社会を考えるために −理化学分野との共同研究−
山田 康弘:やまだ・やすひろ 東京都立大学大学院人文科学研究科教授 1967年生。筑波大学卒業。同大学大学院博士課程中退。博士(文学)。専門は先史学(特に縄文・弥生時代の墓制と社会の研究)。熊本大学文学部助手、土井ケ浜遺跡・人類学ミュージアム学芸員、島根大学法文学部教授、国立歴史民俗博物館教授を経て現職。著書に『縄文時代の歴史』(講談社)、『縄文人の死生観』(角川ソフィア文庫)、『縄文人も恋をする!? 54のQ&Aで読み解く縄文時代』(ビジネス社)、『楽しく学べる歴史図鑑 土偶』(スタジオタッククリエイティブ)などがある
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