美術には誰しも称賛する名画がたくさんあります。自分がよいと思ったらそれが名画だということではありません。質が高くて力のある美術作品が多くの人に見られ、長期間にわたって語られたとき、それは名画や名作とよばれるようになるのです。 この講座では、西洋美術の最初の巨匠ジョットから現代の巨匠ゲルハルト・リヒターまでの代表的な名画をとりあげ、それによって西洋美術の流れをたどります。とくに、「人類究極の至宝」ともいうべき名画中の名画10点あまりをしっかり見てその魅力を解きあかします。 2024年10月に刊行された拙著『50の名画でたどる西洋美術史』(角川選書)に基づく講座です。