ヨーロッパでは古来、感情、理念、学芸など、目に見えないものを具合的に表現しようとしてきました。それは、造形芸術において、象徴と寓意という方法によって達成されました。たとえば、「平和」はオリーブを口に加えた鳩で象徴され、また、オリーブの枝をもち、一羽の鳩を従えた有翼な女性という寓意的人物像(擬人像)によって表現されました。 1月期の講座では、「運命と現実」をテーマとして、人間の歴史が経験してきた戦乱・革命・平和などの社会的諸相について描かれた絵画を、ルネサンスのヴェロネーゼから20世紀のジャスパー・ジョーンズまで様々な画家をめぐって丁寧に解説します。(講師・記) *2024年4月開講。全12講。随時、途中受講が可能です。 <今期の各回テーマ> ■1月期 運命と現実 1月 ルニョー《自由か死か》、ソドマ《3人の運命の女神たち》など 2月 ヴェロネーゼ《ヴェネツィアの平和》、ルソー《戦争》など 3月 ダリ《内乱の予感》、カンディンスキー《コンポジション[》など <全テーマ> ■4月期 生と死 【終了しました】 4月 マティス《生きる喜び》、ルーベンス《愛の園》など 5月 プッサン《人生の踊り》、クリムト《接吻》など 6月 グエルチーノ《われアルカディアにもあり》、ムンク《叫び》など ■7月期 徳と罪 【終了しました】 7月 ラファエロ《騎士の夢》、ティツィアーノ《賢慮の寓意》など 8月 ボス《快楽の園》、ラ・トゥール《悔悛するマグダラのマリア》など 9月 ド・トロワ《真理を暴く時》、ダリ《記憶の固執》など ■10月期 自然と芸術 【終了しました】 10月 フュースリ《夢魔》、ミレー《春》など 11月 ジョルジョーネ《嵐》、アルチンボルド《水》など 12月 デューラー《メレンコリアT》、フェルメール《絵画芸術の寓意》など ■1月期 運命と現実 1月 ルニョー《自由か死か》、ソドマ《3人の運命の女神たち》など 2月 ヴェロネーゼ《ヴェネツィアの平和》、ルソー《戦争》など 3月 ダリ《内乱の予感》、カンディンスキー《コンポジション[》など
伊藤 博明:いとう・ひろあき 専修大学文学部哲学科教授 1955年生まれ。専門は思想史・芸術論。著書に『ルネサンスの神秘思想』(講談社学術文庫、2012年)、『象徴と寓意』(「アート・ギャラリー10」、集英社、2018年)、共著に『神秘哲学―イスラーム哲学とキリスト教中世3』(岩波書店、2012年)、編著に『哲学の歴史4 ルネサンス』(中央公論新社、2007年)、翻訳にアルチャーティ『エンブレム集』(ありな書房、2000年)、ホラポッロ『ヒエログリフ集』(ありな書房、2020年)、ヴァグナー編『世界初のビジネス書―15世紀イタリア商人 ベネデット・コトルリ15の黄金則』(すばる舎、2021年)などがある。
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