中世には京都・鎌倉を初め多様な性格をもつ都市が誕生しました。本講座では、それらの都市の中でも「中世日本」を代表する4つの都市―平泉・鎌倉・京都・博多―に焦点をあてて、近年の考古学的発掘の成果を生かしながら、中世の都市の実像と多様性を具体的に明らかにしたいと思います。 第1期では奥州藤原氏の本拠平泉と室町時代津軽半島に誕生した港湾都市十三湊(とさみなと)、第2期では鎌倉幕府の首都としての鎌倉、第3期ではあまり触れられることがない平安時代以後の平安京=鎌倉時代〜戦国時代の京都、第4期では古代以来の港湾貿易都市博多と中世後期に成立する琉球王国の港湾都市那覇(なは)の繁栄を扱います。(講師記) *2025年1月開講。1年全12講。 <講座の予定> T 北方の都市平泉と十三湊 【2025年1月期】 1.都市平泉の成立 2.巨大都市平泉の構造と富 3.最北の港湾都市十三湊 U 武門の首都鎌倉 【2025年4月期】 1.武門の首都鎌倉の成立 2.首都鎌倉の都市法と宗教 3.鎌倉大仏のなぞ V 中世京都の実像 【2025年7月期】 1.六波羅探題と京都 2.室町幕府と京都 3.戦国の動乱と京都 W 港湾都市博多と那覇 【2025年10月期】 1.国際都市博多と宋商人の活躍 2.宋風貿易宗教都市博多の形成 3.琉球王国の成立と港湾都市那覇の繁栄
木村 茂光:きむら・しげみつ 東京学芸大学名誉教授 大阪市立大学文学研究科博士課程修了。博士(文学)。専門は日本中世史、前近代農業史。主な著書・編著『ハタケと日本人』(中公新書)、『「国風文化」の時代』(青木書店)、『中世社会の成り立ち』(吉川弘文館)、『歴史から読む『土佐日記』』(東京堂出版)、『頼朝と街道』(吉川弘文館)、『平将門の乱を読み解く』(吉川弘文館)など多数。
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