弥生文化を特徴づけるものの一つに、本格的な農業の開始があげられます。それまでの狩猟・漁撈・採集活動による獲得経済から、栽培・農耕による生産経済に移りかわる転換期として、弥生文化・弥生時代は位置づけられています。しかし一口に「農耕」といってもその内容は単純ではなく、縄文時代からの伝統も含めた作物も存在しています。現在弥生文化の農業はどのように考えるべきなのか。研究の歴史を時間的な流れに沿って、4回にわたり解説していきます。 今回は最後の回で弥生文化研究における「現在の生業観」に焦点をあて解説していきます。(1回目は「水稲農耕の確認」2回目は「縄文農耕論」3回目は「畠作物の確認」でした)。(講師・記)
浜田 晋介:はまだ・しんすけ 日本大学特任教授 博士(歴史学) 1959年神奈川県生まれ。川崎市市民ミュージアム学芸員を経て現職。主な著書に「南関東の弥生から古墳の墓の編年」『墓から探る社会』(雄山閣)2009、『弥生農耕集落の研究』(雄山閣)2011、『弥生文化読本』(六一書房)2018、『再考・弥生時代』(雄山閣)2019、「弥生時代の水稲単作史観を考える」『日本考古学』(日本考古学協会)2019などがある。
筆記用具
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