シルクロード(絹の道)とは、本来、洛陽、長安などの中国の都市と、シリア、ローマなどの西方の諸地域とを結んだ、中央アジア経由の陸上東西交通路を指します。近年では、中国以東の朝鮮半島や日本へ続く道も広義にシルクロードとされます。シルクロードを経由して東アジアに伝播した仏教は、飛鳥時代に日本へ伝わり、ヤマト朝廷の中心である奈良で信仰され始めました。7世紀の後半になって、いわゆる白鳳時代の独特な仏像(白鳳仏)や仏教美術が制作されました。奈良・当麻寺の弥勒仏坐像や四天王像、石位寺の三尊石仏、法隆寺金堂壁画などがその代表です。本講座は、白鳳時代の仏教美術を取り上げ、中国美術や朝鮮半島の美術と比較して考えてゆきます。(講師・記) ※画像説明:奈良・石位寺三尊石仏 <各回テーマ> 第1回 1/8 法隆寺玉虫厨子と中宮寺天寿国繍帳 第2回 1/22 法隆寺献納宝物金銅灌頂幡と奈良・当麻寺の創建 第3回 2/12 当麻寺金堂本尊弥勒仏坐像と四天王像 第4回 2/26 奈良・長谷寺銅板法華説相図と石位寺の三尊石仏 第5回 3/12 法隆寺金堂壁画の美 その1 第6回 3/26 法隆寺金堂壁画の美 その2
北 進一:きた・しんいち 1963年生まれ。中国・山東大学留学。アジア文化史専攻。群馬県立女子大学および高崎経済大学兼任講師。著書に『アシュラブック 興福寺阿修羅像から東大寺不空羂索観音像へ』(美術出版社)、『ほとけを知る 仏像めぐりハンドブック』(シンコーミュージック・エンタテイメント)。共著に『カラー版 東洋美術史』(美術出版社)、『世界美術大全集 東洋編15 中央アジア』(小学館)、『中国世界遺産の旅3 四川・雲南・チベット』(講談社) ほか 。
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