私たちが口にしている果物がどこの国で生まれたかを考えたことはありますか。国産だからといって、日本にもともと自生していた植物とは限りません。ミカンやカキ、モモは、古い時代に中国からやってきました。イチゴやメロン、ブドウは、開国とともに欧米からからやってきました。南北に長く自然豊かな日本列島には、多種多様な野生植物が自生しています。しかし、食用にする農作物のもとになった野生種については恵まれない地域だったのです。 本講座では、普段気にせず食べている果物たちが、いつ日本に辿り着き、歴史にどのような影響を与え、おいしく変わってきたのか振り返ります。一度知ってしまったら、見慣れた果物を見る目が変わり、今まで以上においしく感じられ、食卓を囲む時間がより楽しくなることでしょう。(講師・記) 【カリキュラム】 第1回 農作物の品種改良の世界/果物総論 第2回 カンキツ:家康が愛して以来日本人を虜にした果物 カキ:いにしえより日本人と苦楽をともにしてきた果樹 モモ:神聖な果実から人間との共生を選んだ植物 第3回 ブドウ:謎の品種が日本で興した2つの産業 イチゴ:日本初の品種が誕生したのは新宿駅のすぐ近く メロン:大隈重信が流行らせた明治貴族の食べ物 *** 【広報画像】 @イメージ画像 A柿すだれ(島根県松江市東出雲町畑地区) ©畑ほし柿生産組合 B竹下大学『日本の果物はすごい――戦国から現代、世を動かした魅惑の味わい』(2024)中公新書
竹下 大学:(たけした・だいがく)品種ナビゲーター。千葉大学園芸学部卒業。キリンビール入社後、ゼロから育種プログラムを立ち上げ、同社アグリバイオ事業随一の高収益ビジネスモデルを確立。国内外で130品種を商品化。2004年、北米の園芸産業発展に貢献した品種を育成した育種家に贈る「ブリーダーズカップ」(All-America Selections)の初代受賞者に世界でただ一人選ばれた。一般財団法人食品産業センター勤務を経て独立。農作物・食文化・イノベーション・人材育成・健康の切り口から様々な情報発信やコンサルティングを行っている。著書に、『日本の果物はすごい――戦国から現代、世を動かした魅惑の味わい』(2024)中公新書、『日本の品種はすごい――うまい植物をめぐる物語』(2019)中公新書、『野菜と果物 すごい品種図鑑』(2022)エクスナレッジ、他。
【参考文献】 ●竹下大学『日本の果物はすごい――戦国から現代、世を動かした魅惑の味わい』(2024)中公新書
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