戦後80年、昭和100年を迎え、改めて先の大戦の意味が問われようとしている。日本では京都学派の哲学者たちが、戦時中に戦争について積極的に発言していた。そこには現代においても課題となっている問題が多く存在する。西田幾多郎や田辺元は国家の意味を「種」の論理として追究した。高山岩男は欧米中心から多極的な世界への移行を理想とした。西谷啓治は西洋近代文明がもたらしたニヒリズムの超克を説いた。彼らを振り返りながら改めて平和とは何かを考えてみたい。(講師・記) <各回テーマ(予定)> 1.西田と田辺 −国家の意味― 2.高山岩男 −文化多元主義− 3.西谷啓治 −ニヒリズムの超克−
田中 久文:たなか・きゅうぶん 1952年生まれ。76年東京大学文学部倫理学科卒業、83年同大学人文科学研究科倫理学専攻博士課程修了。NHKラジオ講座「倫理」講師。専攻は倫理学、日本思想史。1993年第1回中村元賞受賞。著書に『九鬼周造』(ぺりかん社)、『日本の「哲学」を読み解く』(ちくま新書)、『丸山眞男をよみなおす』(講談社選書メチエ)、『日本美を哲学する あはれ・幽玄・さび・いき』(青土社)、編著に『甦る和辻哲郎』(ナカニシヤ出版)『九鬼周造エッセンス』(こぶし書房)など。
講師作成のレジュメを当日教室で配布/マイページのドキュメント欄にアップロードいたします。
Vimeoを使用した、教室でもオンラインでも受講できる自由選択講座です(講師は教室)。見逃し配信(1週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問合せは yk9yokohama@asahiculture.com で承ります。