日本独自の実用装飾品として、江戸時代に隆盛を極めた「根付」は、今なお日本の美術的伝統工芸として海外から高い評価を受けています。様々な伝統工芸技法を駆使して作られている根付ですが、その中でも「左刃(ひだりば)」という特殊な彫刻刀を使いながら、木や角など色々な材料を用いて、基礎から「根付」の作り方を学びます。 第一線で活躍する根付師3人から、それぞれの得意とする技巧を学ぶことが出来る講座ですので、基礎から応用まで個々のご要望&レベルに対応した指導が可能です。 気軽に身に付けられる小さい根付や小物類、本格的な「根付」まで、基本カリキュラムに沿ってご指導致します。根付の製作工程を学びながら、世界に一つの自分のオリジナル作品を創りましょう。(講師・記) 【ご新規の方へ】最初はツゲ材で「ひょうたん」か「栗」のお好きな方を作っていただきます。(最初からこれが作りたいというご希望がありましたら、ご見学時に講師とご相談下さい。) ≪カリキュラム≫ 根付には他の工芸品、彫刻作品とは違った独特の造形的特徴がありますので、まずそのことを理解したうえで自然物をモチーフにしながら基本的な道具の使い方、制作行程を覚えて行きます。また根付は様々な材料が用いられますのでそれらの彫刻方法も徐々に修得してまいりますが、その第一歩として黄楊材を使って 制作を始めます。立体作品を造ることは慣れないと最初は戸惑いますが、簡単なものから段階的に造ってまいりますので安心して楽しく制作していただけます。 掌に乗るとても小さな彫刻ですが一点一点時間を掛けて丁寧に仕上げてまいりますので一人ひとりのペースを大切に指導する方針でおります。 ≪根付が出来るまでの工程≫ 1. 墨入れ(下絵) 素材に図案を書き込みます。 2. 粗取り図案に沿って鋸で切り出します。 3. 粗突き(粗彫り) ヤスリや左刃で形を削り出します。 4. 小作り(地さらい) 左刃で細い処を彫りヤスリの跡など整える。 5. 研き 紙ヤスリなどで磨きキズを取ります。 6. 仕上げ彫り 細かい処を彫り、紐通し穴を開け落款(名前)を彫ります。 7. 着色染色、顔彩、墨などを用い着色します。 8. 仕上げ(艶出し) 角粉やイボタ蝋などで磨きを掛けて仕上がります。
及川 空観:国際根付彫刻会・根付彫刻家。躍動感ある造形美を追い求めながら、自由な発想と物語を盛り込んで根付の新境地を展開している。 1997年から独学で根付彫刻を始める。2006年に初個展開催、同年より「空観」の号を使用。2008−11年にかけて講演やワークショックを実施。2014年第1回「ゴールデン根付アワード」受賞。2016年から子供たちへの美術鑑賞教室に参加。2017年講演会実施
北角 両:根付師 根付師。国際根付彫刻会役員。 現代根付界で美人根付の第一人者である駒田柳之に師事。情感を活かした女性風俗物を題材にして2014年より根付作品を発表している。伝統的な顔料による着彩で細部まで丁寧に仕上げる技術に定評がある。 2016年より京都清宗根付館所蔵。 2016年 飛騨高山現代木彫根付公募展 佳作受賞。 2016年「たばこと塩の博物館 細密工芸の華 根付と提げ物」出品。
上原 万征:根付師 国際根付彫刻会・根付師。彫金で培った金属加工技術と、木彫牙彫の技術2つの長所を併せ持った作品制作が特徴。自動車のメカニックを担当していた経験から異素材の象嵌や彫嵌など高度な技法に活かしている。 国家資格2級自動車整備士免許(ガソリン・ディーゼル)取得後、国産自動車ディーラーへ入社しメカニックとして約5年勤める。2000年 ヒコみづのジュエリーカレッジにて彫金を学ぶ。 2008年 駒田柳之・黒岩明両氏に師事し根付彫刻を学ぶ。〜2011年 都内彫金教室にて講師をし鋳造も担当。2017年 第四回ゴールデン根付アワード受賞。現在、金工・根付作家として、個展やグループ展に参加。
・ノート、筆記用具、エプロン <新規教材セット>彫刻刀3本、ヤスリ3本で計12,000円です。初回に講師が教室で販売します。左利きの方は事前にお知らせ下さい(申込みは開講1週間前まで)。初回の材料代は無料です。
【ご新規の方へ】最初はツゲ材で「ひょうたん」か「栗」のお好きな方を作っていただきます。(最初からこれが作りたいというご希望がありましたら、ご見学時に講師とご相談下さい。) 【ご継続の方へ】途中受講の場合も、初回分からお支払ください。