『平家物語』は、鎌倉時代初期に著述され、まもなく盲目の法師が語り始め、広めたと言われています。『平家物語』の琵琶語り=平曲/平家琵琶は、晴眼者も伝誦に加わるようになってからでも約600年の長い伝統があります。平曲は、『平家物語』全巻を約200に句切って語る、長大な「ものがたり」です。 『平家物語』は、「祇園精舎」から始まって、平安時代末期の様々な動きを語り、壇浦合戦(1185)で安徳天皇が入水し平家が敗滅したことを伝えたのち、平家所縁の者たちの運命を語って閉じられます。この講座では、平家物語の最終巻「灌頂巻(かんじょうのまき)」に視点を据えて、建礼門院徳子(清盛の娘、高倉天皇の妃、安徳天皇の母)の大原隠遁、後白河院の大原御幸、女院の生涯の振り返り、御往生を、適宜取り出して演誦する予定です。(講師・記)
鈴木 孝庸:(すずき・たかつね)1947年秋田県生まれ。早稲田大学大学院修士修了。新潟大学名誉教授。著書『平曲と平家物語』(2007。知泉書館)など。1980年1月、前田流平家琵琶橋本敏江師に入門。2016年10月橋本師逝去により、館山宣昭師に師事。2018年6月、皆伝。「一部平家(いちぶへいけ。平曲による平家物語全巻の通し語り)」を二度(県立横浜翠嵐高校での断続全66回。越前市・御誕生寺での30日連続演誦。)行い、現在3回目を荒井今日子とともに、羽村市・宗禅寺で行っている。
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