清少納言は『枕草子』に何を書き残したのか。 敬愛してやまなかった中宮定子が亡くなり、ライバルだった彰子が后として時めいていた時期に、『枕草子』の最終稿はまとめられました。作中には定子との美しい思い出が綴られていますが、それを単なる自慢話と受け取ってしまうと、書き手の真意を見誤ることになるでしょう。清少納言が心血を注いだのは、道長全盛の世にも作品が人々に受け入れられるように、深謀遠慮を尽くすことだったと思われます。 本講座では、講師の長年の研究成果をもとに、一段一段、丁寧に読み解いていきます。またせっかくの機会なので、活字で読むだけでなく、筆で書写された伝本にも触れてもらうつもりです。(講師・記) ※2024年10月開講。
津島 知明:1959年生まれ。國學院大學大学博士課程単位取得退学。博士(文学)。國學院大學ほか数々の大学、カルチャー教室にて枕草子の講座を担当。 著書に『ウェイリーと読む枕草子』(鼎書房)、『動態としての枕草子』(おうふう)、『枕草子論及』(翰林書房)、編著に『新編枕草子』(オモイカネブックス)、『枕草子 創造と新生』(翰林書房)、『新訂枕草子』上・下(角川ソフィア文庫2024年)など。
<テキスト> 角川ソフィア文庫『新訂枕草子』上・下(各1600円+税)をご用意ください。
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