ドイツの作家で画家のヤーノシュは、50歳を前にトラの子とクマの子を主人公とした絵本シリーズを発表しました。川のほとりで二人きりで暮らす仲良しのかれらが、子供独特の自由な発想で周りの世界と繋がり、自分たちの世界を膨らませていく様子が、ほんわかとした挿絵とウィットに富んだ文章で描かれています。 冬学期は、突然体が動かなくなった甘えん坊のトラ君が兄貴分のクマ君に介抱してもらいますが回復せず、心配した近所の動物たちの勧めで動物病院に入院して元気を取り戻す話を読みます。 体調や診察・治療に関する表現が多く登場します。 授業では、挿絵をモニターに映して何が描かれているか話し合い、プリントでキーセンテンスと簡単な文法を練習します。朗読を聞きながらテキストを声に出して読み、こなれた日本語に訳します。リズミカルかつ簡潔な文章なので、暗唱も楽しめます。(講師記)
岡部 由紀子:国際基督教大学卒業(文化人類学専攻)ウィーンにて、ドイツ語とヨーロッパ民俗学を学ぶ。国立民族学博物館(吹田市)のドイツ語文化圏の展示資料の収集に携わり、ヨーロッパ民俗文化、美術工芸の研究にあたる。『季刊民族学』などに報告を執筆。
講師が編集したテキストと画像、練習問題のプリント教材を使用 絵本を求める必要はありませんが、入手可能です。 Janosch "Ich mach dich gesund, sagte der Bär" Julius Beltz出版 ISBN:978-3407760388