ヌシ(主)とは、長い間、同じところに棲み続けて巨体になり、神秘的な力を持つようになった生物のことです。深山幽谷や古城廃屋に棲むヌシもいますが、多くは河川沼沢などの水域に棲みます。通常、ヌシが自身のテリトリーを離れて人間界に侵入し、危害を加えることはありません。しかし、人の生活に水が欠かせない以上、ヌシと人の対峙が避けられない事態もありました。そうしたとき、われわれの祖先はヌシとどう向き合ってきたのでしょうか。今回の講座では、江戸時代の見沼・印旛沼の水利事業を例に、人とヌシの関係を考えてみようと思います。
伊藤 龍平:國學院大學教授 1972年生。國學院大學大学院文学研究科博士課程後期修了。博士(文学)。台湾・南台科技大学助理教授、國學院大学准教授を経て、現在、國學院大學教授。専攻は伝承文学。著書に『ヌシ 神か妖怪か』(笠間書院、2021年)『怪談の仕掛け』(青弓社、2023年)ほか。
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