『太平記』は後醍醐天皇の即位から足利義満の登場までをダイナミックに描いた軍記物語です。鎌倉幕府の滅亡に至る様子や建武の新政の混乱ぶり、その後の南北両朝の対立や武士同士の争いなどを同時代人の目で活写したものになります。物語なので誇張や事実誤認とされるところもありますが、当該期の政治や社会・文化などさまざまなことを知ることができます。史実や関連する古文書、日記などにも目を配りながら、40巻という大部な物語を読み進めていきましょう。今クールは巻14から読み進めていきます。足利尊氏の建武政権離脱が明確となり、再び全国的な争乱に突き進んでいきます。その緒戦となる足利・新田両軍の合戦の様子について学んでいきましょう。(講師・記) (※進度は予定と多少前後する場合があります)
角田 朋彦:1969年生まれ。駒澤大学大学院人文科学研究科博士後期課程満期退学。現在、瓜生山学園京都芸術大学非常勤講師。専攻は日本中世史。いくつかの自治体史に携わったことで、地域に視点を据えて歴史を見ることに主眼を置いている。ほかに街道歩きの講師も務めており、実際に各地を歩くことで歴史地理的な視点で地域を見ることもテーマとしている。共編著に『武蔵武士団』(吉川弘文館)、『相模武士団』(吉川弘文館)、『南北朝遺文 関東編』(東京堂出版)、『金沢北条氏編年資料集』(八木書店)など。