インドといえばヨガ、ヨガといえばインド」といわれるほど、インドを代表する文化としてその名を知られているヨガですが、その一方で、ヨガとは何かということはあまり知られていません。ヨガは、インドの古典言語で「実修」一般を意味するyoga(ヨーガ)に由来し、非常に幅広い分野で、目的や理想を達成するための実践手段を表す言葉として用いられます。この講座では、「ヨーガ」という言葉を切り口にして、インドに根ざす修行や実践という文化について、この言葉の現れるさまざまな原典にふれながら、学んでいこうと思います。(講師・記)2024年4月開講 第四期(1月期)テーマ:ハタ・ヨーガ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ [2024年4月期〜2025年1月期、各期のテーマ(予定)※各期の受付開始日より申込可] 第一期(4月期):聖典バガヴァッド・ギーターに説かれる三種のヨーガ インドの二大叙事詩のひとつ『マハーバーラタ』に含まれるヒンドゥー教の聖典『バガヴァッド・ギーター』に説かれている三種類のヨーガを紹介し、広義のヨーガについて考えてみます。 第二期(7月期):古典ヨーガ いわゆるヨガの原点であり、インド的瞑想実践の理論的基礎を与えているのが「八支ヨーガ」(アシュターンガ・ヨーガ)です。ラージャ・ヨーガとも呼ばれるこのヨーガを、インド古代の聖仙パタンジャリの作と伝えられる『ヨーガ・スートラ』に即して概観します。 第三期(10月期):仏教のヨーガ 仏教の修行として「禅」という瞑想法がありますが、インド思想の文脈ではこれもヨーガの一種です。仏教のヨーガは古典ヨーガとはどのように違うのでしょうか?インド仏教の各種原典にふれながら見ていこうと思います。 第四期(2025年1月期):ハタ・ヨーガ 現代、全世界で流行している体操のようなヨガは、実はハタ・ヨーガと呼ばれる、10世紀前後に新しく始められた密教的ヨーガに由来しています。一種の秘技であったハタ・ヨーガはどのようにして世界中で公然と実践されるヨガになったのでしょうか?『ゲーランダ・サンヒター』等の「発見」の経緯にもふれながら、学んでみたいと思います。 ※講義全体を通して、立川武蔵・著『ヨーガの哲学』(講談社学術文庫2185)を教科書として用います。
佐々木 一憲:創価大学講師。1973年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科アジア文化研究専攻インド文学・インド哲学・仏教学専門分野博士課程満期退学。専門は大乗仏教後期中観派の修道論、〈近代仏教学〉成立史、仏教伝播史。インド政府給付奨学生としてシムラーおよびコルカタで在地研究。立正大学講師。現在、創価大学国際仏教学高等研究所専任所員。共著書に『ブッダの言葉』(新潮社)、『現代ネパールを知るための60章』(明石書店)など。
※立川武蔵・著『ヨーガの哲学』(講談社学術文庫)
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