ガウディのサグダラ・ファミリア聖堂の展覧会が日本で開催されましたが、スペインは時として芸術の分野で思いもよらない天才がその時代時代に存在感を示しています。 その中の一人に18世紀から19世紀にかけて忘れてはならない画家ゴヤがいます。今回はゴヤの作品から、画家の生きた時代とその作品の背景をさぐり、スペイン独特の強い「光」と暗い「闇」を2回に分けて作品鑑賞とともに考えてみましょう。 2月26日、3月12日 ゴヤの初期から宮廷画家へ、ロココ様式の軽妙な華やかさから、40代後半からの転換。フランス支配と混乱の中で、人間の苦悩や社会の真実、矛盾を追求し表現する作品を描くようになっていく流れを把握しましょう。
江本 菜穂子:名古屋造形大学名誉教授 美術史家。名古屋大学大学院博士課程後期満期単位取得退学。 専門は近代西洋美術史。特に西欧世紀末絵画から20世紀初頭の絵画、 時代と文化の関係等研究。美術評論も手がける。