この講義では、ヨーロッパの社会がユダヤ人をどのように理解し、どのような関係を結ぶことで社会の中に位置づけていたのかについて、ユダヤ人に対する法律的な扱いの観点から考えてみたいと思います。法律というと少し堅苦しい感じがするかもしれませんが、しかし、実際には法律と現実は合わせ鏡のようなもので、たとえばユダヤ人の法的立場からは、そこに至るユダヤ人のあり方やこの立場を規定する社会の価値観などを垣間見ることができますし、その逆も考えられます。そうした行き来のいくつかを取り上げていきます。(講師・記) <各回のテーマ(予定)> 第1回:ユダヤ人問題の中の「ユダヤ人」 第2回:中世ヨーロッパのユダヤ人規程 第3回:近代ヨーロッパ社会のユダヤ人 第4回:人種論的な反ユダヤ法 画像説明:※最後の晩餐に描かれたユダ (画面左手前・左手にイエスを売った代償としての銀貨30枚が入った袋を手にしている) フィリップ・ド・シャンペ(パ)ーニュ「最後の晩餐」(1652年頃) https://www.meisterdrucke.jp/artist/Philippe-de-Champaigne.html
羽田 功:横浜商科大学学長・慶應義塾大学名誉教授 1954年生まれ。専門はユダヤ人問題、ドイツ文化史、教養教育。横浜商科大学学長・慶應義塾大学名誉教授。慶應義塾大学卒。同大学院文学研究科博士課程修了。慶應義塾大学経済学部教授を経て2019年4月より横浜商科大学教授、2020年4月より副学長、2024年4月より現職。著書・訳書に『禁忌の構造』『洗礼か死か』(共に林道舎)、『民族の表象』(編著・慶應義塾大学出版会)、『雷文化論』(共著・慶應義塾大学出版会)、E・フックス『ユダヤ人カリカチュア』(柏書房)、J・フォーグル『資本の亡霊』(法政大学出版局)などがある。
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