水稲農耕社会が始まった弥生社会には、燕国の東進に伴い、朝鮮半島から弥生前末・中初に細形銅剣文化とともに鋳造鉄器が流入します。さらに、青銅器生産が始まり、武器形祭器や銅鐸が生まれます。一方で、弥生時代の鉄器生産は、朝鮮半島の楽浪郡成立以降に始まりますが、鉄器素材の輸入を必要としました。北部九州の首長たちは、楽浪郡や三韓との長距離交易を司るとともに、漢鏡などの威信財を入手します。倭国の大乱後、こうした対外交易をまとめ、その交易物資を集散したのが、邪馬台国の卑弥呼でした。 【カリキュラム】※講座日・時間に一部変更があります。 @ 1月13日 中国戦国時代の燕国の東進と細形銅剣文化 A 1月27日 北部九州の細形銅剣文化の流入と墓制 B 2月10日 東北アジアの鉄器文化と鉄器の広がり C 2月17日 弥生時代の鉄器生産 D 2月24日 楽浪郡と弥生時代の交易 E 3月 3日 邪馬台国の卑弥呼と古墳時代の始まり ※15:30〜17:00
宮本 一夫:1958年島根県松江市生まれ。京都大学文学部卒業、同大学院修士課程修了。博士(文学)。 京都大学文学部助手、愛媛大学法文学部助教授を経て、九州大学文学部(考古学講座)教授、同大学院教授。九州大学副学長、同付属図書館長、同総合研究博物館長を歴任。 アメリカ芸術科学アカデミー外国人名誉会員。 現在、九州大学名誉教授。 専攻分野は東アジア考古学。著書に『中国の歴史1 神話から歴史へ 神話時代 夏王朝』(講談社学術文庫2651、講談社、2020年)、『農耕の起源を探る イネの来た道』(歴史文化ライブラリー276、吉川弘文館、2009年)などがある。
筆記用具
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