「200年前ポルトガルの首都リスボンに生まれた伝統的大衆歌謡「ファド」。2011年にユネスコ無形文化遺産にも選ばれ、近年注目を集めています。そのファドの伴奏に欠かせない楽器、ポルトガルギター(ギターラ・ポルトゥゲーザ)は独特の美しい音色を持つものの、日本ではまだあまり知られていません。 当講座では生演奏を中心に構成し、歴史的なポルトガルギター奏者たちが残した数々の名曲をレクチャー付きでお聴きいただきます。リスボンへ旅した気分でお楽しみください。(講師・記)
月本 一史:つきもと・かずふみ リスボン市立ファド博物館公認アンバサダー、 ファドに関する卒論で大学卒業後、リスボン市立ファド博物館へ留学。ファド博物館併設ポルトガルギター育成コースにてAntónio Parreiraに師事。また、Casa do Fado "Velho Pateo de Sant'Ana"でも師Parreira の指導の下演奏経験を重ねながら、Fado Tradicional(古典ファド)を学ぶ。帰国後、演奏活動を開始。その一方でポルトガルギターのメソッド作り、歌手と演奏家の育成、ファドに関する講演・講義にも力を入れ、2004年2月に日本初のポルトガルギター教則本を上梓。以後も頻繁にリスボンへ通い研究を進めつつ、日本での演奏、書籍や映像教則等の執筆・制作、CDのプロデュース、コンサートイベント及びポルトガル文化複合イベントのプロデュースを行っている。演奏者としては、リスボンで「古典をこれだけ古典らしく表現できる弾き手は希少である」と評価を受け、現地ではTUMI(トゥミ)の愛称で呼ばれている。2016年、リスボン市立ファド博物館より指導・メソッド構築・コンサート企画・普及活動等が「ポルトガルのファド文化行政を一任されているファド博物館と同じ機能を日本において果たしている」とされ、初の海外大使として日本ファド大使に任命された。
※この講座の受講料には音楽使用料が含まれております。