現在、邪馬台国の所在地をめぐる論争は、A. 初期ヤマト政権を邪馬台国とみる畿内説,B.初期ヤマト政権とは異なる地域勢力としての九州説,の二項対立に収斂し、Ⅽ.畿内説・九州説を連結した東遷説も依然一定の論者がいます。しかし、これらの説はどれも、全国で進んだ3世紀代の遺跡の発掘成果をフィードバックする柔軟さを欠いています。全国の遺跡を俯瞰的にみるとどんな世界が見えるでしょうか? 現在、3世紀の日本列島には、対外交渉を担った末盧国・伊都国・奴国・不弥国などの北部九州諸国のほか、「畿内・瀬戸内連合」「東海・関東連合」「山陰・北陸連合」の少なくとも3つの広域政治勢力が割拠し、それぞれ「初期ヤマト政権」「狗奴国連合」「出雲・越連合」に対応していたと考えられます。 本講座では、さきの講座のテーマをさらに掘り下げながら、引き続き3世紀を三大勢力+北部九州諸国が拮抗する群雄割拠時代と捉え、「邪馬台国三国志」の視点から考えます。 【カリキュラム】 10月14日 「楽浪公孫氏と吉備王の東遷−纒向遺跡の出現と弧帯文の呪術」 11月11日 「出雲勢力の伝承と考古資料からみた王権と社会]」 12月16日 「S字甕・前方後方墳・銅鏡・水銀朱からみた狗奴国連合の盛衰 1月 13日 [小札革綴甲冑が語る邪馬台国と狗奴国の戦争](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7711525) 2月 24日 [越・出雲の服属と碧玉製腕飾の出現−桜井茶臼山古墳の謎](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7711526) 3月 3日 [末盧国・伊都国・奴国・不弥国の命運と筑後川流域の3世紀](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7711527) ※2月、3月の日程が変更になりました ★1回ずつの受講もできます。
桃ア 祐輔:福岡大学人文学部歴史学科教授 1967年(昭和42年)3月12日生まれ。福岡大学人文学部教授(考古学) 福岡県福岡市出身 筑波大学大学院歴史・人類学研究科文化人類学専攻を単位取得退学。東京国立博物館事務補佐員、筑波大学助手を経て2004年に福岡大学に着任。2018年に中国社会科学院考古研究所・吉林大学・西北大学で1年間の在外研究に従事。ユーラシア騎馬文化・中近世仏教考古学が専門で「中世とは何か」の解明をめざす。 主な著作に「高句麗太王陵出土瓦・馬具からみた好太王陵説の評価」(『海と考古学』2005)、「七支刀の金象嵌銘技術にみる中国尚方の影響」『文化財と技術 4』2005)、「中世棒状鉄素材に関する基礎的研究」(『七隈史学』第10号)、「九州の屯倉研究入門」(『還暦、還暦?、還暦!』2010)、「九州出土子持勾玉研究入門」(『福岡大学考古学論集2』2013)、桃崎祐輔「騎馬文化の拡散と農耕文明との融合−江上騎馬民族征服王朝説が描く文化融合モデルとその今日的意義−」(『今、騎馬民族説を見直す』2014)「山の神古墳出土馬具の検討―2セットのf字形鏡板付轡・扁円剣菱形杏葉の年代とその意義―」(『山の神古墳の研究』2015)「金属容器」(『モノと技術の古代史 金属編』2017)「英彦山信仰遺跡と遺物からみた英彦山の歴史」(『英彦山の宗教民俗と文化資源』2017)など
筆記用具をお持ち下さい。※10月より講座時間を12時30分〜14時30分に変更致します。 ※3月の日程が変更になりました(11/27) ※2月の日程が変更になりました(1/24)
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