この講座では、現代社会の多様な課題やテーマに対して、人間科学の視点からアプローチします。言語脳科学からみた言葉と脳の関係、山間地域の食文化の伝統、クリスマスの起源と変遷、「こころ」の測り方、人口減少社会における地域福祉活動、そして性の多様性と共生社会の構築について、九州大学文学部の人間科学コースの教員がそれぞれの専門を通して解説します。多角的な視点で、現代社会を深く理解し、新たな知見を得る機会を提供します。 @ 10月19日 [「言葉と脳:脳から言葉の謎に迫る」](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7430741)太田 真理(言語学講座 准教授)(オンライン) A 11月16日 [「知恵と技がささえる山間地域の食文化:トチノミ食を事例に」](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7472868) 伊藤 千尋(地理学講座 准教授)(対面) B 12月21日 [「クリスマスの謎」](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7472873) 飯嶋 秀治(比較宗教学講座 教授)(対面) C 1月18日 「『こころ』の測り方」 中村 知靖(心理学講座 教授)(オンライン) D 2月15日 「人口減少社会と地域福祉活動」 高野 和良(共生社会学講座 教授)(対面) E 3月15日 「性の多様性と共生社会」 井上 智史(共生社会学講座 講師)(対面) ★1回ずつの受講もできます。 会員 3,410円 一般 3,960円 ――――――――――――――――――――――――――――――
九州大学文学部 講師陣:
太田 真理:九州大学准教授(言語学) •専門 言語脳科学、心理言語学 •専門分野 脳波や脳磁図、機能的磁気共鳴画像法などの脳機能イメージングを用いて、言語の神経基盤の研究を進めている。生成文法を中心とする理論言語学で提唱された仮説を、神経科学の実験を通して実証することで、言語学と神経科学を統合した言語処理の脳内モデルを構築することを目標としている。 •主要業績 (Dis)similarities between semantically transparent and lexicalized nominal suffixation in Japanese: An ERP study using a masked priming paradigm, In Koizumi, M. (Ed.), Issues in Japanese Psycholinguistics from Comparative Perspectives: Interaction between Linguistic and Nonlinguistic Factors (共著,De Gruyter Mouton, 2023) Dissociating the processing of empty categories in raising and control sentences: A self-paced reading study in Japanese (共著,Frontiers in Language Sciences 2, 2023) Merge-generability as the key concept of human language: Evidence from neuroscience (共著,Frontiers in Psychology 10, 2019) Dissociating effects of scrambling and topicalization within the left frontal and temporal language areas: An fMRI study in Kaqchikel Maya (共著,Frontiers in Psychology 8, 2017)
飯嶋 秀治:九州大学教授(比較宗教学) •専門 共生社会システム論、調査地は日本、バリ、オーストラリア •専門分野 現在は主にオーストラリア先住民アランタの研究を行っている。主な関心は、人が危機に直面した時にその危機といかにつきあうのか、ということにある。その危機とのつきあい方の1つに宗教が大きく関わってくる。但し、世界社会と言われる現代において、調査地と調査者とは、既に幾つもの関わりの中を生きてしまっている。そうした関わりの中で、適切な言葉を与えて関係を見やすくすること、また、そこから立ち現われる生の可能性の共有を思索している。 •主要業績 『言語と身体−聖なるものの場と媒体』(共著、岩波書店、2004年) 『福の民 暮らしのなかに技がある』(編著、福岡市、2010年) 『フィールドワークの安全対策』(共著、古今書院、2020年)
中村 知靖:九州大学教授 (心理学) •専門 計量心理学、テスト理論、多変量データ解析 •専門分野 能力や性格を測定するための質問紙法による心理テストの開発ならびにテストに関する統計的方法の開発を研究テーマとしている。具体的には、情動に関わる認知能力テスト、言語能力テスト、発達に関する縦断データ分析、因子分析・構造方程式モデリング・項目反応理論といった潜在変数を利用したモデルにおけるパラメタ推定法、心理特性測定のための適応型テストシステムについて研究を行っている。 •主要業績 『誠信 心理学辞典[新版]』(編著、誠信書房、2014年) 『心理統計法への招待』(共著、サイエンス社、2006年) 『誰も教えてくれなかった因子分析』(共著、北大路書房、2002年)
高野 和良:九州大学教授 (共生社会学) •専門 地域福祉社会学 •専門分野 高齢化する地域社会の現状分析と、そうした状況のなかで必要とされる社会システムのあり方を、高齢者の社会参加活動に注目して調査研究している。全国的にみても高齢化と世帯の極小化が進行する西日本過疎農村(大分県日田市中津江村、山口県内など)をフィールドとし、そこで生活する人々の意識と行動を総合的に捉えるために量的調査、質的調査(聞き取り)を重ねてきた。 •主要業績 『人口減少時代の生活支援論』、ミネルヴァ書房、2023年 「人口減少時代における地域共生社会の展望——過疎地域の協働の視点から」(『福祉と協働』、ミネルヴァ書房、2023年) 『新・現代農山村の社会分析』、学文社、2022年 『生活者の視点から捉える現代農村』、農山漁村文化協会、2022年
伊藤 千尋:九州大学准教授(地理学) •専門 人文地理学、アフリカ地域研究 •専門分野 ザンビア・ジンバブウェを対象にして、都市−農村間の相互作用やそれらが自然環境にもたらす影響を解明する研究を行っています。国内では、農山村を対象にして、地域間ネットワークと自然資源利用に注目して地域社会の変化を読み解く研究を行っています。近年では、地理教育や地域社会への還元にも関心を持っています。 •主要業績 「高校地理教科書における『人種』に関する記述の問題点:差別・偏見を生まない地理教育に向けて」(単著, E-journal GEO, 2021) 「'African Potentials' for Wildlife Conservation and Natural Resource Management: Against the Image of 'Deficiency'and Tyranny of 'Fortress'』(共編, Langaa RPCIG, 2021) 『ザンビアを知るための55章』(共著, 明石書店, 2020) 「滋賀県高島市朽木における行商利用の変遷と現代的意義」(単著, 地理学評論 88(5), 2015) 『都市と農村を架ける:ザンビア農村社会の変容と人びとの流動性』(単著, 新泉社, 2015)
井上 智史:九州大学講師(共生社会学) •専門 ジェンダー・セクシュアリティ研究、福祉社会学 •専門分野 ジェンダー/セクシュアリティの視点から現代社会における社会的排除の現状分析に関する調査研究を行っている。 •主要業績 「性的マイノリティの困難と支援」(『入門・福祉社会学』、学文社、2023年) 「性的少数者にとって家族とはどのような存在か」(『ジレンマの社会学』、ミネルヴァ書房、2020年) 「HIV・エイズ予防啓発活動における疫学者とゲイNGOの協働体制の展開」(『福祉社会学研究』17、2020年)
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