法華経、般若経、阿弥陀経、涅槃経、ダンマパダ――古代インドから現代の日本にまで多種多様にして厖大な仏教の経典が伝承されています。経典とはいったいなにものなのでしょう。そこからはどのような意味が、いかなる根拠にもとづき、どのように獲得されてゆくのでしょう。本講義ではこの問いに応答しつつ、歴史に還元される存在論を超える仏教研究の可能性を探究します。それはキリスト教やイスラム教における聖典の意味を問うことにも通じています。(講師・記)
下田 正弘:武蔵野大学教授/東京大学名誉教授 1957年福岡県生まれ。1981年東京大学文学部印度哲学印度文学専修課程卒業、1984年同大学院人文科学研究科修士課程修了、1985−1986年インド・デリー大学大学院留学、1994年「大乗『涅槃経』の研究」で博士(文学)。現在、東京大学大学院人文社会系研究科・文学部教授。専門は、インド哲学、仏教学、人文情報学。ロンドン大学SOAS招聘教授、ウィーン大学招聘教授。 主著:『仏教とエクリチュール――大乗経典の起源と形成』(東京大学出版会)、『パリニッバーナ 終わりからの始まり』(NHK出版)、『宗教学文献事典』(弘文堂)、『涅槃経の研究――大乗経典の研究方法試論』(春秋社)、『大乗経典解説事典』(北辰堂)、ほか多数。編著:『シリーズ大乗仏教』全10巻(春秋社)、『新アジア仏教史』全15巻(校正出版社)、『仏教の事典』(浅倉書店)、ほか多数。
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