ヨーロッパの歴史に燦然と輝くハプスブルク帝国。しかしその栄光も19世紀に入ると陰りが見え始めます。ナポレオンへの屈服と神聖ローマ帝国の消滅、復活を期した「ウィーン体制」も世紀半ばの革命と戦争により崩壊し、ドイツの盟主の座からも陥落。近代化と文化芸術が花開いた世紀後半、しかしその一方で民族主義と反ユダヤ主義の広がりが帝国に暗い影を投げかけます。 本講座では、フランツ・ヨーゼフ1世の治世を中心に、オーストリア・ハプスブルク帝国の19世紀を光と影の両面から学びます。とりわけ帝国の支柱であったハプスブルク家の内情に注目し、輝かしき王家に忍び寄る闇の正体を探ります。世紀末に相次いだ皇室の悲劇。それは帝国滅亡の予兆だったのでしょうか?(講師・記)
大井 知範:清泉女子大学教授 明治大学大学院博士後期課程修了、博士(政治学)。明治大学政治経済学部助教、ベルリン自由大学客員研究員を経て現職。専門は近代のドイツ・オーストリア史、国際関係史。主な著書に『世界とつながるハプスブルク帝国』(彩流社)など。
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