昨今の研究の爆発的な進展と、それに即した出版ラッシュによって、巷ではにわかにベルクソン・ブームが沸き起こっています。ですが、ある哲学者について解説書の類を読むことと、その哲学者自身の言葉に触れることは、別物です。多くの人は、それをせずに通り過ぎていってしまうかもしれません。この講座は、それにチャレンジされる方のためのものです。 テクストは、ベルクソンの四大主著の中でも最も形而上学的にして難解と言われる『物質と記憶』です。才気あふれる哲学的精神の最も輝かしい瞬間に綴られた奇跡のようなテクストを、一文一文丁寧に、わかりやすい解説を交えながら読み進めていきます。分量としてはほとんど進まないかもしれません。それでも、彼の思索の魂に直接その手で触れる経験は、かけがえのない時間になるでしょう。哲学的予備知識は不要です。(講師・記) @10月10日 見えているままの事柄 A11月14日 表象など生み出せはしない B12月12日 まるで鏡がなすごとく
平井 靖史:慶應義塾大学文学部教授 ベルクソン・ライプニッツなど近現代哲学。時間、意識、記憶などを主要テーマとして研究しています。 PBJ(Project Bergson in Japan)代表。国際ベルクソン協会・日仏哲学会理事。『世界は時間でできている』(青土社、2022年)
杉山直樹訳、ベルクソン『物質と記憶』講談社学術文庫を各自ご用意ください。。
・Zoomウェビナーを使用した、オンライン講座です。見逃し配信(1週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認下さい。お問合せはasaculonline001@asahiculture.comで承ります。