日頃、私たちは、しばしば自らの考え方や行動を自明視しがちです。周囲に祝福されて生まれ、慈しまれて育ち、愛する人を失う経験を繰り返しながら、いつか自分も看取られる。青い山や海を眺めて美しいと感じる。またある時は五輪などの国際スポーツイベントで日本人を応援する。しかしよく考えると、こうした営みは普遍的に存在しえないことに気づきます。落ちついた家族生活と長寿、自然の克服、近代スポーツの普及が達成されたのは19世紀以降です。ならば、先に挙げた何気ない行動には”近代人”特有の心性・感性が潜んでいるはずです。この講座では、近世・近代ヨーロッパを例に、日常生活にある「当たり前」の現象を歴史学的に追及して、皆さんの感覚・常識を揺さぶります。きっと衝撃を受けるでしょう。(講師・記) @10月 8日 コーヒーにします?それとも紅茶? 近代世界システムとは何か A11月12日 愛国心は自然の情? ナショナリズムを考える B12月10日 そこに愛はあるか? 近代的な家族
竹中 幸史:たけなか・こうじ 山口大学教授 1970年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定指導退学。博士(文学)。2016年より現職。専門はフランス近現代史。著書に『フランス革命と結社』(昭和堂)、『図説 フランス革命史』(河出書房新社)、編著に『教養のフランス近現代史』(ミネルヴァ書房)、共著に『東アジアから見たフランス革命』(風間書房)、『はじめて学ぶフランスの歴史と文化』(ミネルヴァ書房)などがある。
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