中東地域は、地理的に広大で、長い歴史を有しています。また、宗教・民族・言語は多岐にわたっています。そして、過去は忘却されず、現在のできごとの前提になっています。そのため、中東地域の歴史は、非常に複雑な構造物になっています。 たとえば、現在のガザ地域の事件を理解するために、19世紀に始まるシオニズムと、イスラエル建国以降の歴史を知る必要があります。また、「ハマース」とは何者か、これについても、イスラームを掲げるアラブ・ナショナリズムを解明しなければなりません。 本講座では、中東の近現代史を構成する要素を順序よく丁寧に説明し、常に時事問題との関わりを意識しながら、全体像の把握をめざしていきます。(講師・記) 2024年7月開講(全15回)。 <各回テーマ>※各回テーマは予定です。変更になる場合もございますので、予めご了承ください。 ■2024年7-9月期(開講中) 第1回 中東のなりたち 第2回 オスマン帝国とペルシア帝国 第3回 東方問題とナショナリズムの萌芽 ■2024年10-12月期 第4回 サイクス・ピコからサン・レモまで 第5回 英仏委任統治とその終焉 第6回 アラブ・ナショナリズムの高揚 ■2025年1-3月期 第7回 トルコ共和国とイラン王国 第8回 第三次中東戦争 第9回 第四次中東戦争とキャンプ・デイヴィッド合意 ■2025年4-6月期 第10回 イラン革命とイラン・イラク戦争 第11回 湾岸戦争 第12回 中東和平交渉とその挫折 ■2025年7-9月期 第13回 対テロ戦争の時代 第14回 2011年以降の混迷:アラブ世界 第15回 2011年以降の混迷:非アラブ諸国
若林 啓史:(わかばやし・ひろふみ)京都大学博士(地域研究)/早稲田大学地域・地域間研究機構招聘研究員 1963年北九州市生まれ。1986年東京大学法学部卒業・外務省入省。アラビア語を研修し、外務本省の他、イラク、ヨルダン、イラン、シリア、オマーンなどの日本大使館で勤務。2016年より東北大学教授(法学研究科・公共政策大学院)、2019年より2021年まで同大学客員教授。2020年、京都大学より博士号(地域研究)授与。2023年4月より早稲田大学地域・地域間研究機構招聘研究員、早稲田大学および亜細亜大学の非常勤講師。著書に、『中東近現代史』(知泉書館 2021年)、『シリアの悲嘆 キリスト教徒虐殺事件・一八六〇年』(知泉書館 2019年)、『聖像画論争とイスラーム』(知泉書館 2003年 第一回パピルス賞)、項目執筆に、『岩波イスラーム辞典』(岩波書店)、『イスラーム世界研究マニュアル』(名古屋大学出版会)、『世界民族問題事典』(平凡社)など。
<参考書>※各自でご用意ください。 講師著『中東近現代史』(知泉書店2021年)ISBN:9784862853400
Vimeoを使用した、教室でもオンラインでも受講できる自由選択講座です(講師は教室)。見逃し配信(1週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問合せはcb9info@asahiculture.comで承ります。