ジョットに始まる新しい美術様式は、ペストが猛威をふるった1340年代に勢いを失ってしまいます。その後、50年ほど続いていた停滞状況を打破するため、1401年、フィレンツェの毛織物業組合(アルテ・ディ・カリマーラ)はサン・ジョヴァンニ洗礼堂の門扉装飾に関するコンクールを開催します。フィレンツェの美術はこのコンクールをきっかけに再び活気づき、以降、レオナルド・ダ・ヴィンチが登場する1470年までを初期ルネサンスと呼んでいます。 今期は、1420年代に活躍したマザッチョの活動を中心に初期ルネサンス絵画の特徴をわかりやすく解説していきます。 各回のテーマ ■1.マザッチョの革新とは何か ■2.ブランカッチ礼拝堂の壁画(1) ■3.ブランカッチ礼拝堂の壁画(2) ■4.ローマにおけるマザッチョとマゾリーノ
松浦 弘明:多摩美術大学教授 東京芸術大学美術学部芸術学科卒。同大学院博士課程修了。イタリア政府給費留学生としてフィレンツェ大学美術史学科に留学。現在、多摩美術大学、東京芸術大学等で西洋美術史、イタリア語の講義を担当。元NHKラジオ講座講師。著書・訳書に、『イタリア・ルネサンス美術館』(東京堂出版)、『レオナルド・ダ・ヴィンチの世界』(共著、東京堂出版)、『イタリア・ルネサンス美術論』(共著、東京堂出版)、『彫刻の解剖学』(ありな書房)、『祭壇画の解体学』(ありな書房)、『マザッチョ』(東京書籍)、『ラファエロ』(共著、河出書房新社)など。
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