1600年前後に活躍したカラヴァッジョは、ルネサンス絵画が目指したイリュージョニスティックな表現のひとつの完成形を提示したと言えるでしょう。彼の作品の前に立つと、聖書に記された聖人やエピソードがまるで眼前で繰り広げられているかのように感じられるのです。そのため、彼の作品は時代や地域を越え、多くの人々の心をとらえてきました。 本講座では、そのようなカラヴァッジョ作品の魅力がどこから来ているのかを、彼の初期作品から推察していこうと思います。 (講師・記)
松浦 弘明:多摩美術大学教授 東京芸術大学美術学部芸術学科卒。同大学院博士課程修了。イタリア政府給費留学生としてフィレンツェ大学美術史学科に留学。現在、多摩美術大学、東京芸術大学等で西洋美術史、イタリア語の講義を担当。元NHKラジオ講座講師。著書・訳書に、『イタリア・ルネサンス美術館』(東京堂出版)、『レオナルド・ダ・ヴィンチの世界』(共著、東京堂出版)、『イタリア・ルネサンス美術論』(共著、東京堂出版)、『彫刻の解剖学』(ありな書房)、『祭壇画の解体学』(ありな書房)、『マザッチョ』(東京書籍)、『ラファエロ』(共著、河出書房新社)など。
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