素粒子の標準模型は、素粒子の振る舞いをよく記述し、様々な実験結果を非常によく説明できます。標準模型で唯一未確認だったヒッグス粒子も2012年に発見され、標準模型は完成したと言えます。しかし、宇宙に存在する暗黒物質や、宇宙から反物質が無くなってしまった謎など、標準模型で説明できないことも多く存在します。講座では、標準模型とその問題点を概観した後、現在行われている、標準模型を超える新物理を探索する素粒子実験について解説します。また、暗黒物質などの宇宙の謎について、素粒子物理からの研究の展望を述べます。(講師・記) <各回テーマ> 1) 素粒子の標準模型 2) 新物理の探索実験 3) 素粒子と宇宙
西田 昌平:1976年生まれ。京都大学大学院在学中からBelle実験に加わり、B中間子の崩壊の研究を行う。その後、高エネルギー加速器研究機構にて、Belle実験と後継のBelle II実験に従事している。Belle II測定器の粒子識別装置を担当しながら、Belle実験の物理コーディネータを務め、標準模型を越えた物理の探索を行ってきた。最近は、Belle II実験のデータを用いた、ダークマター(暗黒物質)の探索にも取り組んでいる。
Zoomミーティングを使用したオンライン講座です。見逃し配信(1週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問合せはasaculonline001@asahiculture.comで承ります。