日本国憲法において保障されている思想・良心の自由、信教の自由、言論・出版の自由、集会・結社の自由等、これら諸々の自由の思想は、歴史をひも解くと17世紀イギリスにおけるキリスト教の歴史と深く関わっています。17世紀イングランドは、エリザベス一世が1603年に死去した後、スコットランド王がイングランド王を兼ねたスチュアート朝時代、ピューリタン革命、共和政時代、クロムウェルの護国卿政権時代、1660年の王政復古と続く激動の時代でした。それは言い換えると自由獲得の闘いの時代でもありました。1620年にピルグリム・ファーザーズと呼ばれるピューリタンらは信仰の自由を求めてメイフラワー号に乗り新大陸アメリカに渡りました。1644年にはピューリタン詩人ジョン・ミルトンは『言論・出版の自由:アレオパジティカ』を出版しています。どのようにキリスト教の歴史が関わって諸々の自由の思想が生み出されていったのか解説します。(講師・記)
佐野 正子:さの・まさこ 東京女子大学教授。専門はキリスト教史(特にイギリス)。国際基督教大学卒業、同大学院修士課程修了、東京神学大学卒業、同大学院修士課程修了、聖学院大学大学院博士課程修了。博士(アメリカ・ヨーロッパ文化学)。聖学院大学教授を経て現職。共著に『歴史と神学』(聖学院大学出版会)他。
Vimeoを使用した、教室でもオンラインでも受講できる自由選択講座です(講師は教室)。見逃し配信(1週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問合せはcb9info@asahiculture.comで承ります。