<本講座は2025年1月末までお休み中です> 『灯台へ』を書きあげた直後に、ヴァージニア・ウルフは、友人/恋人であった貴族階級出身の作家ヴィタ・サックヴィル−ウエストをモデルにして、『オーランドー:ある伝記』と銘打ったフィクションを書きます。主人公が16世紀から20世紀までを生き、その途上で、男性から女性への性転換が起こるという荒唐無稽な枠組みで描かれたこの物語は、個人的冗談に満ちながら、従来のウルフの作品よりも幅広い読者層に向けて書かれています。小説ジャンルと伝記ジャンルの両方に挑みながら、「書くこと」を中心テーマに据えたこの小説で、ウルフはイギリスの歴史と伝統をからかいながら、壮麗で稀有な世界を紡ぎだします。(講師・記) ※2022年11月講読開始。
高井 宏子:津田塾大学大学院文学研究科博士課程前期修了(文学修士)。同博士課程後期満期退学(英文学専攻)。帝京大学専任講師、助教授、准教授、教授。大東文化大学環境創造学部・社会学部准教授、教授。2021年退職。2015年英国ケンブリッジ大学英文科訪問研究員。日本英文学会、日本ヴァージニア・ウルフ協会、Literature Cambridge会員。共著に、富山太佳夫編『フェミニズム』(研究社)、木下卓、窪田憲子ほか篇『英語文学事典』など、訳書に『ヴァルター・ベンヤミンとパリ・パサージュ―見ることの弁証法』(勁草書房)、『ヤクザの文化人類学―ウラから見た日本―』(岩波書店)、『ワルター・ベンヤミン―革命的批評に向けて』(共訳 勁草書房)、『読みのプロトコル』(共訳 岩波書店)、『スコールズの文学講義』(共訳 岩波書店)、『セックスの発明―性差の観念史と解剖学のアポリア』(共訳 工作舎)など。
<テキスト>Virginia Woolf "Orlando:A Biography" Oxford World's Classics ISBN-13:978-0199650736 ※書店やAmazonで各自ご購入の上、ご準備ください。
【日程変更】11/6、11/20、12/4、12/18休講→2/5、2/19、3/5、3/19補講