日本最初の史書『日本書紀』には、金色の鵄が飛来して戦に勝った話(神武紀)など、フィクションとしか思えないような叙述(本講座では「奇談」と総称します)が散見されますが、『書紀』から歴史的事実を探ろうとするときには「奇談」は史実ではないとして等閑視される傾向にあります。しかし、『書紀』の中から〈歴史〉を抽出しようとする前に「奇談」を〈歴史〉として記した史書であることをまず受けとめる必要があるでしょう。「奇談」を読むことで『書紀』がどう〈歴史〉を語ろうとしているのかを考えることができるのです。そこで、本講座では「奇談」を読むことを通じて『書紀』の〈文〉、その世界観を探ってみたいと思います。(講師・記) *2024年10月開講。*1年12講。 <各回のテーマ> 【2024年10月期】一、狩猟における奇瑞の出現―雄略紀五年春二月条を中心に― 第一回 雄略紀の狩猟―天皇が獣を狩ること― 第二回 「霊鳥」の出現―「鳳凰」との関係から― 第三回 「嗔猪」の出現―「龍」との関係から― <今後のテーマ> 【2025年1月期】二、天意と天皇の言語活動―雄略紀三年夏四月条を読みなおす― 【2025年4月期】三、「○○国言」形式の「奇談」その1 【2025年7月期】四、「○○国言」形式の「奇談」その2
吉原 美響:よしはら みお 上智大学文学部史学科卒業(日本古代史)。東京都立大学大学院人文科学研究科博士前期課程(修士)修了。日本文学(上代文学)を専攻。現在、東京都立大学大学院人文科学研究科博士後期課程在籍。古代文学会会員、日本文学協会会員、東京都立大学国語国文学会会員。「雄略天皇と少子部連蜾蠃 : 雄略紀七年秋七月条を読む」(『日本文学72(2)』「二〇二二年研究発表大会」2023年2月)がある。
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