地球を初めて宇宙から眺めたガガーリンは「地球は青かった」という言葉を残しています。この青い地球は海が7割で陸が3割ですが、これらはプレートと呼ばれる岩板からできています。内側には金属からなる核、外側には大気や磁気などがスフィア(圏)を作って取り巻いており、この圏の間でエネルギーと物質のやりとりを行っています。その結果、46億年かかって「生物と地球の共進化」を起こし、現在のような姿になってきたのです。その原理は17世紀から変遷を経て、現在では「プレートテクトニクス」として認められていますが、今、これに代わる新たな理論が求められています。 これらのしくみを紐解いていく地球科学という学問は、自然を相手にした<物理・化学・生物・数学>の応用問題的な学問で、理学のすべてを理解する必要がありますが、本講座ではむずかしい数式を使わずに1年間で習得できるように組んでみました。これで、地球科学の全分野をほぼ網羅しています。一度基礎的な原理を習得しておけば、大抵のトピックスは理解できるようになるでしょう。(講師・記) *2024年4月開講。全12講。 *本講座は2022年4月〜2023年6月に新宿教室で行った内容を再編集したものです。 ■各回のテーマ <2024年10月期:地球の歴史> 7.地球の歴史の走馬灯 46億年前に地球ができてから現在までの出来事を1年間のカレンダーにして走馬灯のように見ていく。冥王代(46億年〜40億年前)には地球の原型ができて、生命が誕生し進化を通して現在見られるような多様な生物種を抱える地球に進化してきた。それは地球と生物の共進化である。人類誕生まで様々な事件が起こってきたことを紙芝居で示す。 8.気候変動、海面変動、氷河期と間氷期 46億年間には地球の気候は温暖な地球(ホットハウス)から冷たい地球(アイスハウス)へと変化を繰り返してきた。地球が全面凍結したスノーボールアースという時期も経て現在は後氷期であることを知る。気候変動によって海面が上下することを理解する。このような変化はある周期によって起こることを紹介する。 9.災害科学―天変地異 人類がこの世に発生してから地球科学現象は人類にとって害であるという意味で災害という言葉を生み出された。「天災は忘れた頃にやって来る」という寺田寅彦の言葉の様に地震、火山活動、洪水、台風などの災害に着いてその原因を見ていく。 ■今後のテーマ <2025年1月期:地震・火山の日本列島> 10.地震活動 11.火山活動 12.ジオパークと日本列島の成り立ち
藤岡 換太郎:静岡大学防災総合センター客員教授 1946年京都市生まれ。東京大学理学系大学院修士課程修了。理学博士(東京大学)。専門は地球科学。東京大学海洋研究所助手、海洋科学技術センター深海研究部研究主幹、グローバル・オーシャン・ディベロップメント観測研究部部長、海洋研究開発機構(JAMSTEC)特任上席研究員などを歴任。機構退職後、神奈川大学・放送大学の非常勤講師を経て静岡大学防災総合センター客員教授。潜水調査船「しんかい6500」に51回乗船。三大洋人類初潜航を達成。海底地形名委員会での功績から2012年海上保安庁長官表彰を受ける。著書に『深海底の科学』(NHKブックス)『海はどうしてできたのか』『山はどうしてできるのか』『川はどうしてできるのか』『フォッサマグナ』『三つの石で地球がわかる』『見えない絶景 深海底巨大地形』(いずれも講談社ブルーバックス)『海がわかる57の話』(誠文堂新光社)『相模湾 深海の八景―知られざる世界を探る』『日本海の拡大と伊豆弧の衝突(共著)』(いずれも有隣堂)『深海底の地球科学』(朝倉書店)など多数。近著は『天変地異の地球学 巨大地震、異常気象から大量絶滅まで』 (講談社ブルーバックス)。
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