2024年7月に上梓した私の新著『霧のコミューン』(みすず書房)。この本は、現代世界を覆う合理と帰属と監視の抑圧に抗して、「霧」のような見えざる予兆のなかに希望を見出し、露呈から身を守り、やわらかな「共-接触」(コンティンジェンシー)を希求する精神共同体の樹立に向けての呼びかけの書です。 この精神に立って、今期はより可動的なフットワークで、私がこうしたヴィジョンについてさまざまな場所をさまよいながら考え、歩きながら場所や人と出会ってきた軌跡を、イメージや音も媒介にしながら語ろうと思います。 思考すること、出会うことの思いがけない恩寵をあらたに発見していただければ幸いです。 回によっては、遠く離れた場所からの臨場感あふれる「交信」のかたちをとった、あたらしいコミュニケーションの可能性を探究してみたく思います。 10月5日 マヤの幻霧 水に還ること 11月30日 ヨーロッパ大陸の果てる岬から(予定) 12月21日 海霧の舞う台湾の港町から(予定) ※10月5日は教室で開催いたしますが、11月30日、12月21日の講義は事前に収録した映像の配信のみになります。お申込みの際はご留意ください。 教科書:今福龍太『霧のコミューン』みすず書房、2024 [詳細はこちら](https://www.msz.co.jp/book/detail/09712/)
今福 龍太:いまふく・りゅうた 文化人類学者・批評家。奄美自由大学主宰。詩誌『KANA』同人。著書に『ミニマ・グラシア』『薄墨色の文法』(岩波書店)『レヴィ=ストロース 夜と音楽』、『ヘンリー・ソロー 野生の学舎』(みすず書房)『宮沢賢治 デクノボーの叡智』(新潮選書)『ぼくの昆虫学の先生たちへ』(筑摩書房)など多数。主著『クレオール主義』『群島-世界論』を含む著作集《パルティータ》(全五巻、水声社)が2018年に完結。
・10月5日は教室で開催いたしますが、11月30日、12月21日の講義は事前に収録した映像の配信のみになります。 ・10月5日はリアルタイム配信はございません。終了後、月曜日に見逃し配信をアップいたします。 ・11月30日、12月21日の映像配信は当日18時30分から1週間の配信となります。