日本で最も有名な風神・雷神像と聞くと、おそらく誰しもが建仁寺蔵、俵屋宗達筆『風神雷神図屏風』に描かれた風神・雷神像を思い出すのではないでしょうか。この作品に描かれた、太鼓をもつ雷神と、風袋を上方に掲げる風神は、日本人にとっては大変馴染み深い図像といえるでしょう。この講座では、日本に残る風神・雷神像の起源について、ガンダーラ仏教美術史を専門に研究する学者が、日本に残る作例から、中国、インドを経由し、ギリシア、ローマの美術作品まで遡って解説します。
田辺 理:京都大学白眉センター 文学研究科特定准教授 1979 年生。2015 年早稲田大学文学研究科博士後期課程美術史学コース修了、文学博士学位取得。日本学術振興会 PD 特別研究員、ミュンヘン大学インド学・チベット学研究所客員研究員を経て、現在京都大学白眉センター・文学研究科特定准教授。専門は、ガンダーラ仏教美術史、比較美術史。
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