福岡藩士だった早川勇(いさみ)は、明治32年まで生きました。維新後、早川は「坂本龍馬が薩長同盟を仕上げたと言っても過言ではないと思いますが、私は坂本より内実の功労は中岡慎太郎の方が多いと思います」と 語っています。また、元土佐藩士で明治天皇からの信任厚い政治家であった佐々木高行家に残っていた「伯爵佐々木高行家蔵 坂本龍馬傳」には、「龍馬が常に人に語っていたことがある。それは私が中岡と事を謀ると、往々にして意見が合わなくて憂うことになる。ただ中岡以外に事を謀るべき者はいない」と書かれています。龍馬と並び評されることの多い、中岡慎太郎とは、どのような人物だったのでしょうか。幕末維新の専門ミュージアムである霊山歴史館の学芸課長が、その功績や人柄、評価を中心に語ります。
木村 武仁:霊山歴史館学芸課長 1973年京都生まれ。國學院大学文学部卒。現在、霊山歴史館(幕末維新ミュージアム)で学芸員を担当。専門は幕末・明治維新史。著書に「ようわかるぜよ!坂本龍馬」(京都新聞出版センター)、「図解で迫る西郷隆盛」(淡交社)など。
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