W.B.イエイツが編纂した『アイルランドの民話集』(Fairy and Folk Tales of the Irish Peasantry)を原文で読みます。1865年ダブリンの郊外で生まれたイエイツはその後ロンドンで暮らすことになりますが、毎年夏休みは母親の故郷である、アイルランドの北西部の町スライゴで過ごしました。美しい自然や叔父たちや使用人たちが語る妖精物語に囲まれて過ごした日々は、詩人イエイツに多大なインスピレーションを与えただけでなく、不思議な物語の世界への扉を開くことになりました。1885年20歳の時、初めて自作の詩を出版しますが、その2年後1887年に『アイルランドの民話集』を編纂し出版します。 アイルランドでは19世紀の初頭から民話の収集が始まり、20世紀に入ると国家的な仕事になります。イエイツの民話集には主に19世紀の文学者や民話研究者が集めた物語が収められています。これらの話は今ではアイルランドの民話の古典として親しまれ、日本にも紹介されています。 2018年1月期からこの『イエイツの民話集』を読みはじめ、引き続きこのテキストを読みます。今期は最終章「KINGS,QUEENS,PRINCESSES,EARLS,ROBBERS.」(PATRICK KENNEDY)を扱います。広く知られた読みやすい作品です。英語の苦手な方も、英語の音を楽しみ、クラスのお仲間の訳に耳を傾け、その世界をお楽しみいただくことができます。多くの方たちのご参加をお待ちしています。(講師・記)
渡辺 洋子:アイルランド伝承文学研究家。朝日カルチャーセンター・新宿・千葉・立川教室、DiLA国際語学アカデミー アイルランド講師。著書『アイルランド 自然・歴史・物語の旅』(2014)『妖精の住む島アイルランド』(2020)共著『アイルランド 民話の旅』(2005)『絶滅したオオカミの物語』(2022)以上三弥井書店、共著『子どもに語る アイルランドの昔話』(こぐま社1999)、訳書『塩の水のほとりで』(冬花社2008)他がある。
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