鎌倉仏教と言えば、各宗派の宗祖の歩みと思想が取り上げられることが多い。しかし、当時の仏教世界を支配していたのは、平安時代に生まれた天台宗の比叡山と園城寺、そして真言宗の東寺だ。鎌倉幕府も朝廷も、密教を核にした仏教信仰に依存し、それをいかにもり立てていくかに腐心した。今回の講座では、多面的な角度から、鎌倉時代の仏教、鎌倉という都市の仏教の本当の姿を追っていく。今の鎌倉では、円覚寺や建長寺といった禅宗の寺院が目に付くが、今は跡しか残らない永福寺や無量寿院の方がはるかに有力だった。そうしたなかに登場した新たな宗祖たちは、既存の宗教世界にどう立ち向かったのか。それを詳しく見ていくことになる。(講師・記) 10/3 親鸞は鎌倉幕府とどうかかわったのか 鎌倉時代の浄土信仰 11/7 道元はなぜ鎌倉を逃げ出したのか 禅宗と鎌倉幕府との関係 12/5 日蓮は真言律宗の忍性と雨乞いで対決した 法力への信仰
島田 裕巳:しまだ・ひろみ 1953年東京都生まれ。宗教学者、作家。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。放送教育開発センター助教授、日本女子大学教授、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員、東京通信大学非常勤講師を歴任。著書に『葬式は、要らない』『創価学会』『日本の10大新宗教』『神道はなぜ教えがないのか』『戦後日本の宗教史:天皇制・祖先崇拝・新宗教』『「日本人の神」入門』『宗教の地政学』『神社崩壊』『新宗教 戦後政争史』等多数。
・受講券をご持参ください ・参考図書「鎌倉仏教のミカタ」本郷和人・島田裕巳(祥伝社新書)
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