6世紀末、ともすると破壊の対象とみなされがちであった教会内の美術作品を、教皇グレゴリウス1世は「文字の読まない者たちにとって聖書のようなもの」であるとして、擁護しました。これ以降徐々に美術は、教養のない人々を教育・教化するための効果的な手段として活用されるようになりました。中世のキリスト教美術には、さまざまな約束事があり、それらを少し覚えるだけでも、多くの作品の意味内容を、キャプションや解説なしに、理解できるようになります。かつて東大駒場キャンパスで1、2年生向けに開講していたのと近い形で、キリスト教美術の「読み方」について講じてみようと思います。 (講師・記) ※今期は日程が不規則です。ご注意ください。10/26休講 →11/9補講 @ゴシックの図像学46 Aゴシックの図像学47 Bゴシックの図像学48
秋山 聰:あきやま・あきら 東京大学教授 1962年兵庫県出身。東京大学文学部美術史学卒業後、同大学院博士課程修了。フライブルク大学にて博士号取得。電気通信大学助教授、東京学芸大学助教授を経て、現在、東京大学教授。2002年、『デューラーと名声』で地中海学会ヘレンド賞受賞。その他の著書に、『聖遺物崇敬の心性史 西洋中世の聖性と造形』(講談社選書メチエ、サントリー学芸賞)、『天才と凡才の時代−ルネサンス芸術家奇譚』(芸術新聞社)など。
初回の日程が10/26から11/9に変更になります。(10/11) 教室は変わる場合があります。10階と11階の変更もあります。当日の案内表示をご確認ください。 都合により日程が変わる場合がありますので、あらかじめご承知おきください。