観世音菩薩は、大乗仏教の慈悲を象徴する存在として、種々の方策を用いて人々を救済します。その姿も、千手観音や十一面観音など、いろいろな形で表現されます。仏教の菩薩では、地蔵菩薩と並んで最も身近な存在であるといえるでしょう。『正法眼蔵』にも「観音」と名づけられた巻があり、菩薩の救済を題材にした禅問答を軸に、その禅的解釈が詳細に繰り広げられます。 この講座では、まず、仏(如来)と菩薩の教理的な相違点と、観音菩薩の基本的性格を解説したうえで、『正法眼蔵』における禅的解釈に向き合っていきたいと思います。(講師記) <各回のテーマ> 1. 仏の悟りと菩薩の救い―「観音」巻読解の導入として― 2. 雲巌の「観音菩薩の手と眼」の問いかけ 3. 道吾の「夜中に後ろ手に枕を探す」という答えの意味 4. 雲巌の「体中が手と眼になる(遍身是手眼)」という理解 5. 道吾の批判と「身体全体が手と眼(通身是手眼)」 6. 禅宗祖師の持つ「観音の手と眼」 ※途中回からの受講も歓迎です。
石井 清純:駒澤大学教授 1958年生まれ。駒澤大学仏教学部卒、駒澤大学仏教学部教授。2000年にはスタンフォード大学客員研究員を務めた。専門は道元禅の思想的研究。代表的な著書は、『禅問答入門(角川選書)』(角川学芸出版、2010年)、『道元 ―仏であるがゆえに坐す―』(佼成出版、2016年)など。
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