紀元前8世紀にホメロスによって完成されたとされる叙事詩『イリアス』――そこにはトロイア戦争をめぐる英雄たちの生と死の諸相が、不死なるオリュンポスの神々と対比されて、美しく謳い上げられています。西洋精神の源泉であるギリシア最古の雄大なこの叙事詩の尽きない魅力を、松平千秋訳(岩波文庫上下二冊)を用いて、一年間11回で多様な視点から読み解きます。(講師・記) 【カリキュラム】※状況によって変更することもございます。 前期-----2024年4月〜8月(終了) 1 『イリアス』以前の歴史、口誦叙事詩の伝統、『イリアス』成立の事情 2 (第1歌)アキレスの怒りとゼウスの計画 3 (第2・3歌)アガメムノンを惑わす夢、パリスとネラオスの一騎打ち 4 (第4・5歌)ディオメデスの武勇譚 5 (第6・7歌)ヘクトルとアンドロマケの別れ -------------------------- ★後期-----2024年10月〜2025年3月 6 (第8・9・10歌)アキレウスへの使節派遣 「怒り」の深化 7 (第11・12・13・14・15歌)戦闘三日目の読み方、神々の喜劇 8 (第16・17歌)パトロクロスの武勇と死 9 (第18・19歌)アキレウス出陣の決意、アキレウスの盾、アガメムノンとの和解 10 (第20・21・22歌)神々の戦い、アキレウスとヘクトルの一騎詩、ヘクトルの死 11 (第23・24歌)アキレウスとトロイアの老王プリアモスの和解 ※お申込みは6ヶ月単位です。途中からのご受講もいただけます。
川島 重成:かわしま・しげなり 1938年京都生まれ。国際基督教大学卒業。東京大学大学院修了。元国際基督教大学教授。著書に『ホメロス叙事詩の世界『イリアス』と『オデュッセイア』』『「イーリアス」ギリシア英雄叙事詩の世界』『イエスの七つの譬え−開かれた地平』『アポロンの光と闇のもとに−ギリシア悲劇「オイディプス王」解釈』『ギリシア悲劇―神々と人間、愛と死』『ギリシア紀行』など。訳書にエウリピデス『ヒッポリュトス』などがある。
テキスト:ホメロス『イリアス』上下 松平千秋訳(岩波文庫) 各自ご準備ください。
・教室は変わる場合があります。10階と11階の変更もあります。当日の案内表示をご確認ください。