言語は、生物の中で人間のみが持つ脳の機能です。AI(人工知能)で文章を合成できる時代にあって、言語能力を通して人間の創造性について正しく理解することが重要です。そこに、「チョムスキーを読む」ことの今日的な意義があります。本講座では、チョムスキー著『統辞構造論』(福井直樹・辻子美保子訳、岩波文庫、2014年)を読み進めながら(本は各自でご用意下さい)、言語能力から人間の創造性を探ります。 予備知識は仮定しませんので、途中からでも参加できます。解説本に『チョムスキーと言語脳科学』(インターナショナル新書)があります。(講師・記) 【カリキュラム】※状況によって変更することもございます。 ■4月期 第1回: 総論・まえがき 生成AIによって人間は何を失うのか 第2回: 第1章「序文」と第2章「文法の独立性」 第3回: 第3章「初歩的な言語理論」 ■7月期 第4回: 第4章「句構造」 第5-6回: 第5章「句構造による記述の限界」 ★■10月期 第7回: 第6章「言語理論の目標について」 第8-9回: 第7章「英語におけるいくつかの変換」 ■2025年1月期 第10回: 第8章「言語理論の説明力」 第11-12回:第9章「統辞論と意味論」と第10章「要約」 ※お申込みは3か月単位です ※各自ご用意ください:チョムスキー著『統辞構造論』(福井直樹・辻子美保子訳、岩波文庫、2014年)
酒井 邦嘉:さかい・くによし 東京大学教授 1964年、東京生まれ。東京大学教授。同大学大学院理学系研究科博士課程修了。理学博士。同大学 医学部助手、マサチューセッツ工科大学 客員研究員、東京大学 大学院総合文化研究助教授を経て、現在に至る。2002年第56回毎日出版文化賞、2005年第19回塚原仲晃記念賞受賞。専門は言語脳科学と脳機能イメージング。著書に『言語の脳科学』『科学者という仕事』『科学という考え方』(中公新書)、『脳の言語地図』(明治書院)、『脳を創る読書』『考える教室』(実業之日本社)、『チョムスキーと言語脳科学』(インターナショナル新書)等、対談集に『芸術を創る脳』(東大出版会)がある。
※各自ご用意ください:チョムスキー著『統辞構造論』(福井直樹・辻子美保子訳、岩波文庫、2014年)
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