アメリカ大陸の古代文明は、主に考古学調査によって歴史が再構成されている。古代メソアメリカは、メキシコ湾岸に興ったオルメカ文明、熱帯雨林のジャングルで華麗な建築様式をつくりあげたマヤ文明、メキシコ中央高原でアメリカ最大の都市をつくったテオティワカン、メキシコ盆地の湖上で栄えたアステカ文明がさかえた。 講師が調査するエルサルバドル共和国のチャルチュアパ遺跡には、古代メソアメリカの諸文明の痕跡がみられる。今までに参加した発掘調査で出土した遺物や遺構から、古代メソアメリカ市の再構成を試みる。 @ 出土した動物頭部石彫から考える。 A 古代メソアメリカの古い日付から考える。 B フラスコ状貯蔵穴から考える C ピラミッドから出土した墓から考える。 D 神殿ピラミッド建築材から考える
伊藤 伸幸:名古屋大学大学院助教 1962年名古屋市生まれ。名古屋大学文学部卒業。金沢大学文学研究科修士課程修了。博士(歴史学)。1990年、メキシコ国立人類学歴史学研究所に留学(メキシコ政府給付奨学生)。1991-1994年、たばこと塩の博物館研究員としてグァテマラ総合学術調査に参加。2001年から現在まで、エル・サルバドル共和国のチャルチュアパ遺跡およびチキリン遺跡の発掘調査に従事。そのほかメキシコ合衆国やホンジュラス共和国での発掘調査に従事した。単著に『メソアメリカ先古典期の研究』(渓水社)、共著に『マヤとインカ』(同成社)、『グアテマラを知るための65章』(明石書店)、編著に『クレブラ』(たばこと塩の博物館)。