「生の哲学」の「生(生命、人生、生活)」への問題意識は、「わたしの生」の現実を問う思想へと至ります。これが実存主義哲学です。キルケゴール、ヤスパース、マルセルなどは西欧のキリスト教的思想背景の下で、「絶望」や「希望」など、人生論的哲学を展開してきました。その一方で時代状況の変化は激しく、宗教文化が希薄となり、唯物論や科学主義が蔓延する状況では、神無き実存主義,絶対的な孤独を問う実存主義もあらわれます。サルトルやハイデガーです。こうして「わたし」を問題にする実存主義は一層冷ややかでリアルな意味で「わたし」を問う人生論的な議論へと進みます。その中で、本来は「存在の哲学」であったハイデガーの初期の実存主義的哲学を見てきました。その中期や後期も論じる予定ですが、先ずは「存在と時間」をとりあげ、丹念にすべてを読んできました。 本講座では、「存在と時間」の思想への思想的な反応や反撥、そして様々な影響も見ていきますが、さらには身体としての「わたし」を問う実存主義(メルロ・ポンティ)に至るまでの、実存と存在の問いをも扱っていきます。。(講師・記) ★ 2024年10月20日(日)西洋哲学史入門・1日体験 もあります。 受講料 会員 3,905円 ⼀般 5,005円 (教材費 110円 / 設備費 165円を含む ) お申し込みは[こちら](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7272573)
樋笠 勝士:ひかさ・かつし 慶応義塾大学言語文化研究所所員 東京大学大学院人文科学研究科博士課程。専門は、西洋哲学・美学芸術学・記号論。現在、慶応大学言語文化研究所兼任所員。新プラトン主義協会元会長・現理事。中世哲学会理事。編著『フィクションの哲学』(月曜社)、共著『光の形而上学』(慶應大学)及び『存在論の再検討』(月曜社)等、訳註書に「シャンポーのギョーム『命題集』」(平凡社)、「バウムガルテン『形而上学』訳註」(成城大学)など。
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・Zoomウェビナーを使用した、教室でもオンラインでも受講できる自由選択講座です(講師はオンライン)。見逃し配信(1週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問合せはtc9acc2@asahiculture.comで承ります。 ・10月と1月は第3週です。