現在の日本において仏教思想が社会との軋轢を生んでいる様子はありません。それは日本社会において仏教がそれなりの社会的役割をもち、健全な関係性を築いてきたからでしょう。しかしながら、仏教が現在までに辿ってきた道には幾度もの思想的対立や社会的批判がありました。特に仏教が中国に伝来した時には、異なる文化的背景を持つ思想との衝突が絶え間なく起こりました。そのような衝突の中でシルクロードを渡ってきた鳩摩羅什や中国仏教の方向転換をすすめていく道安・慧遠などが活躍していきます。 本講座では、特に中国に仏教が伝来し衝突が活性化していった4〜5世紀の仏教批判とその批判に対する応答を見ていきます。講義方法は図や美術品も投影しながら資料でわかりやすく解説しますので、お気軽にご参加ください。
都河 陽介:龍谷大学非常勤講師 龍谷大学大学院文学研究科真宗学専攻博士後期課程、単位取得満期退学。東大谷高等学校常勤講師、龍谷大学ライティングサポートセンタースタッフを経て、現職。
※設備費は、講座維持管理費です。