一般に“渡来人”といえば、先進の技術や文化をもって古代の日本に定住した移民やその子孫がイメージされると思います。けれども七世紀以前の倭国の時代、私たちが“渡来人”と呼ぶ人々の中には、本国との関係を維持し続ける者や、しばらくして帰国する者もいました。そのような人々は、なぜ日本列島に移り住んだのでしょうか。 本講座では、倭国の政治や文化に大きな影響を与えた渡来人の越境的な活動の実態に迫りながら、東アジアの歴史と結びついて動く倭国の歴史について考えてみたいと思います。(講師・記) <各回テーマ> 第1回 倭人社会と渡来人・渡来文物 第2回 東方へ移動した中国系知識人 第3回 五経博士と王辰爾 第4回 仏教伝来のインパクト
田中 史生:たなか・ふみお 早稲田大学文学学術院教授。1967年福岡県生まれ。國學院大學大学院文学研究科博士課程後期修了。博士(歴史学)。島根県教育庁文化財課主事、関東学院大学経済学部教授を経て、2018年4月より現職。主な著書に『日本古代国家の民族支配と渡来人』(校倉書房)、『倭国と渡来人』『国際交易と古代日本』(吉川弘文館)、『越境の古代史』(ちくま新書・角川ソフィア文庫)、『国際交易の古代列島』(角川選書、古代歴史文化賞大賞)、『渡来人と帰化人』(角川選書)など。
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