「源氏物語」は世界に誇る日本古典文学のひとつです。登場人物はおよそ450名。4代の帝の御代、70余年にわたる期間の出来事とその世界に生きる人間たちの心の奥底を、精緻な筆致によって描き切ったこの作品は、まさに物語文学の最高峰といえます。「源氏物語」は、今からおよそ千年前の平安時代に書かれた作品ですが、けっして過去の遺物などではありません。現代のわたしたちの胸にも突き刺さる生きた文学であり、しかもその世界は読むほどに深みを増していくものとなっています。 本講座では、「源氏物語」を原文で丹念に読み込みながら、この物語の世界の魅力を味わっていきます。「源氏物語」を原文で読み込んでいくためには、古語や歴史的背景などについての知識が必要となってきますが、本講座ではそれらについても丁寧に説明することによって、平安時代の文化や歴史についての関心もひろげていきたいと思います。「源氏物語」にはじめてふれる方や「源氏物語」を読み直そうとお考えの方はもちろん、古典文学に親しんでみようとお思いの方のご参加もお待ちしております。 今期は「蓬生」巻の途中から読み進めます。(講師・記) ※2018年4月開講 <各回テーマ(予定)> 1.末摘花の古風な生活 2.叔母の策略 3.侍従との別れ 4.光源氏の訪れ 5.光源氏の庇護 6.「関屋」巻のはじまり
竹内 正彦:國學院大學教授。1963年長野県生まれ。國學院大學大学院博士課程後期単位取得後退学。博士(文学)。群馬県立女子大学文学部講師・准教授、フェリス女学院大学文学部教授等を経て現職。専攻は、『源氏物語』を中心とした平安朝文学。著書に、『源氏物語の顕現』(武蔵野書院)、『源氏物語発生史論―明石一族物語の地平―』(新典社)、『名場面で味わう源氏物語五十四帖』(ベストブック)、『2時間でおさらいできる源氏物語(だいわ文庫)』(大和書房)、『源氏物語事典』(大和書房、共編著)ほか。
毎回、講師が作成する資料を配布します(指定のテキストはありません)。
Vimeoを使用した、教室でもオンラインでも受講できる自由選択講座です(原則、講師は教室で講義予定)。見逃し配信(1週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問い合わせは、 yk9yokohama@asahiculture.com で承ります。