古事記は、7世紀後半に天武天皇の命令で編纂が開始され、奈良時代の712年に完成したとされる歴史書で、天皇および天皇家の起源と日本列島における天皇の支配の正統性、また諸氏族の王権とのつながりの由来を、神話から説き起こして物語っています。その内容は、伝承的・物語的な性格が強く、多くの部分は史実ではありません。しかし古事記を構成する個別の神話・伝承や系譜には、古代国家形成過程の解明につながる多くの手がかりが内在しています。本講座では、歴史学の視点から、古事記に内在するそのような論点を見出して、問題を掘り下げていきたいと思います。(講師・記) *2023年4月より開講中。 <各回テーマ(予定)> 1.雄略天皇@ 「倭の五王」は日本列島をどのように支配したか 2.雄略天皇A 葛城氏はなぜ滅ぼされたか 3.雄略天皇B 倭直氏の祖先伝承を考える 4.顕宗天皇 イイトヨ女王の執政とオホケ・ヲケ二王子の発見は何を物語るか 5.継体天皇@ 継体天皇即位の歴史的背景を考える 6.継体天皇A 筑紫磐井の乱と武蔵国造の乱はなぜおこったか ※各回のテーマは予定です。状況により、多少変動する場合があります。
菊地 照夫:法政大学講師 1959年東京生まれ。国学院大学文学部史学科卒業、法政大学大学院人文科学研究科日本史学専修博士課程単位取得満期退学、博士(歴史学)。現在、法政大学兼任講師、出雲古代史研究会代表委員。専門は日本古代史、民俗学、部落史。著書に『古代王権の宗教的世界観と出雲』(同成社、2016年)。
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