『続日本紀』は平安時代初頭、桓武天皇の時代に成った史書であり、文武天皇が即位した697年から桓武治世の延暦10年(791)までの94年に及ぶ歴史が綴られています。奈良時代(710-784)がすっぽりとその中に収まることから、『続日本紀』は奈良時代研究にとって必読の史料とされてきました。講座では毎回『続日本紀』1年分を取り上げ(時に2〜3回に分ける予定)、重要な記事や時代の雰囲気をうかがわせる記述を中心に読み込み、奈良時代のながれを学びます。 今期は引き続き、恵美押勝を倒して再び皇位に復帰した孝謙上皇(称徳天皇)によって道鏡の天皇擁立という未曽有のプロジェクトが立ち上げられた時代を読み解いていきます。(講師・記) ※2018年10月期より開講中。 ※講義の進みにより、予定の範囲より多少前後する場合がございます。
遠山 美都男:とおやま・みつお 学習院大学講師 1957年東京都生まれ。81年学習院大学文学部史学科卒業。同大学院入学、学習院大学文学部助手を経て、現在、同非常勤講師。97年、学習院大学より博士(史学)の学位を授与される。著書に『壬申の乱』『新版 大化改新』(以上、中公新書)、『白村江』『天皇と日本の起源』『天智と持統』(以上、講談社現代新書)、『古代日本の女帝とキサキ』『天武天皇の企て』(以上、角川学芸出版)、『古代の皇位継承』『敗者の日本史 大化改新と蘇我氏』(以上、吉川弘文館)、『蘇我氏四代』(ミネルヴァ書房)、『天平の三皇女』(河出文庫)など多数。
●必要な資料は当日教室にて配布いたします。 ●前回の講座で配布した資料を使用する場合があります。初めて参加される方、途中から受講される方は、お手数ですが前回の資料ご希望の旨を受付までお申し出ください。 参考テキスト: 『続日本紀(上・中・下)』(講談社学術文庫) ※あくまで参考図書です。朝日カルチャーでは販売しません。